おまもり物語

御塩のご利益

公開:2010/09/01

邪気を祓い、清める力


銭洗弁財天の清め塩銭洗弁財天の清め塩 神社にお参りしたときに、袋に詰められた清め塩や御塩のお守りを見かけたことはないでしょうか。日本人は古来より様々な方法で身を清めてきましたが、塩も清めの儀式で使われてきました。


江島神社の御塩守江島神社の御塩守 御塩で心身を清めるのは、手水舎の水で清めたり、神職による榊の枝で穢れ(けがれ)を祓うのと同じです。今回は、日本の神社と密接なかかわりがある塩について解説します。


日常生活に欠かせない塩

 塩は私たちの料理に欠かせない調味料として活用され大切な栄養素を含みます。食べ物の腐敗を防いだり、殺菌に使われ保存食として日常生活で欠かせません。

海水 塩は地層から収穫する岩塩と海からの収穫する海塩がありますが、もとをたどれば全て海水から由来しています。わたしたちの生命の維持に欠かせない塩の語源は様々な諸説があり明らかにされていません。塩は海水から作られることから海水を意味する「潮」と同じ読み方で宗教的な慣習と結びついています。

海外での塩にまつわる逸話

 日本だけでなく塩にまつわる宗教的な逸話は世界各地にあります。キリスト教の「旧約聖書」では、神と人の契約で塩について言及しています。


旧約聖書 レビ記2章13節には次のように記されています。

『穀物の捧げ物にはすべて塩をかけなさい。あなたの穀物の捧げ物から、神の契約の塩を絶やしてはならない。捧げ物には、いつも塩をかけてささげなさい。』

塩は腐敗しない物質なので、信仰的な意味づけの強いものと認識されていました。

塩で穢れを払う日本

 一方、日本では「古事記」に伊邪那岐命(いざなぎのみこと)という神様が黄泉の国(よみのくに)から戻って自らの体についた穢れ(けがれ)を祓うため、海水で禊祓(みそぎはらい)をしたことが記されています。

 塩をまいて清める方法も昔からの風習です。葬儀に参加した後、帰宅前の玄関前で塩をかけてもらわないと家に入れない習慣があります。また、力士が土俵に塩をまくように、塩で穢れを祓う儀式は相撲の取り組みでもみられます。

 日本人は古来より海水を浴びて身を清めたり、塩をまくことが、邪気を祓い、ご利益がある習慣として残りました。


盛り塩について

盛り塩盛り塩 地鎮祭などの神事でも盛り塩が供えられるのも、塩の力による清めの行為といえます。

 お店の入り口付近に盛り塩を置いているのも清めのため以外に福を招き、お客の足を止めるための風習です。これは中国の故事に由来するもので、晋の時代、始皇帝は牛車に乗って後宮の「美妃」と呼ばれる女性の屋敷に回るのですが、ある賢い美妃が自分の家の前に皇帝の牛車がとまるように、門前に牛が好む塩を盛っておいたそうです。そして見事その美妃の門前で牛車が止まり皇帝が訪ねてきたそうです。



 何かを達成したいとき、インスピレーションを高めたいときに、御塩の力で心身を清めてはいかがでしょうか。御塩のお守りを身につけたい方は江島神社など、海沿いの神社にお参りすると見かけます。



関連情報

江島神社
銭洗弁財天